八軒屋徒然草(コラム)
そんな事を漠然と考えていた時、MEポンプの西村さんと出会った。西村さんは羽根車(インペラ)がケーシングの中で宙に浮いて回る遠心式のポンプを一人で(たった一人で!)作っていた。こんな事を言ってもポンプという機械を知らない人には何の事か解らないだろうから、例えて言うなら、かざぐるまとか竹とんぼの竹の棒の部分が無いのに羽根や竹とんぼが磁石の力で一定の同じ場所に浮いて回り続けて、その遠心力で液体を吹き飛ばす機械とでも言えばよいか。世の中に発明家と言われる人は五万と居るだろうが、アイデアは在っても製品化まで漕ぎ着ける人は数少ないのではないだろうか。
ところが、西村さんは一部上場企業(株式会社SUMCO様)にこのポンプを売っていた。しかも私と知り合うまでに1年間生産ラインでノントラブルで稼動させていた。これぞ正に実用化だが、世界中見回してもこういった動きをするポンプで実用販売されているのは私の知る限りMEポンプ製作所のマグフラポンプ以外にはただの1社のみだ。そのメーカも羽根車(インペラ)は浮いて回るが、マグフラポンプとは浮かせる原理・機構が全く異なり、そういう意味ではこの技術は世界唯一と言える。