八軒屋徒然草(コラム)
西村さんから資金的な援助を要請された時、これまで他人の使いっ走りや便利屋だった五大産業が他のどこにもないメーカに成れるチャンスだと思った。ところが、やって見ると物を作る(しかも世の中に無い物を作る)事がいかにたいへんか(真似をしようにも見本が無い)を痛感するばかりだ。この技術は大まかに言って二つの部分で構成されている。①永久磁石によって羽根車(インペラ)を浮上させる②浮上し回転する羽根車(インペラ)を周囲のケーシングの壁に接触させない
西村さんは①でも②でも特許を取っているが、元々ポンプの技術者ではない。3.7kW以下はなんとか実用化できたが、そこから製品のバリエイションを拡げて行くにはどうしてもポンプメーカの技術力と製造能力とが必要だと痛感した。しかし、そのポンプメーカがなかなか見つからない。ビッグサイトでのインケムや幕張メッセでのセミコンにも出展してみた。10社以上の国内ポンプメーカに声を掛けたが、乗ってくるところは無かった。